あすたむらんど徳島では、徳島県内の大学や企業に所属している理系出身の方にご協力いただき、理系分野でどのようなことを学び、体験し、現在どのようなお仕事をされているのか、インタビューを行っています。
今回は、徳島大学大学院社会産業理工学研究部 伊藤 桃代 様にお話をうかがいました。
進路選択に悩んでいる中高生の皆様、中高生のお子様がいらっしゃる保護者の皆様、中学校・高等学校で教員をされている方、今後の参考にぜひご覧ください。
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今回インタビューに協力してくださった徳島大学大学院社会産業理工学研究部 伊藤 様
この度は、女子中高生の理系進路選択支援プログラム インタビューにご協力いただきありがとうございます!
- まずは、所属されている大学名、所属を教えてください。
徳島大学大学院社会産業理工学研究部です。
- 伊藤様は、徳島大学大学院社会産業理工学研究部でどのようなことをされていますか?
プログラミングの授業など、コンピュータサイエンスの基礎となる学問について教えています。
- 伊藤様の現在のお仕事について教えてください。
学部生、大学院生に対する講義や実験などの授業に加えて、研究室での学生への研究指導、そのほか普段学生さんたちからは見えない学内外の色々な仕事をしています。最近は、徳島大学の常三島キャンパスで理工系女子学生のチームであるJ-SWEETが発足したので、他の教職員とも協力してそのチームのサポートをしています。研究としては、人の状態推定をメインに取り組んでいます。人間の状態を機械が推測し、機械の制御や機械と人のコミュニケーションに役立てることを目指しています。
- 今されているお仕事を志望したきっかけを教えてください。
これまで知られていないことを明らかとする研究というものが素晴らしいと思い、さらにほかの研究者と議論することも楽しかったので、研究者を目指しました。企業の研究職ではなく、大学での研究を通じ、教育にも携わりたいという気持ちもありました。
- 今されているお仕事でのやりがいをお教えください。
学生と研究の議論をして、新しい知見や次の研究方針が見える瞬間があることや、学生が元気に大学生活を送っているのを見ることがやりがいです。
- 今されているお仕事の分野で活かせる能力や性格を教えてください。
何を研究すべきか、ということは誰も教えてくれないので、まず自分で世の中の課題を見つけることが必要です。そのため、様々な物事に対する関心や好奇心を持っているということが重要と思います。また、大学教員は学内の学生や教職員はもちろんのこと、他大学、企業、行政の方々とも接する機会が多いので、コミュニケーションが好きなこと、人の話をよく聞けることは大切な資質だと感じます。
続いて、伊藤様の学生時代について教えてください。
- 伊藤様は、学生時代、文系・理系どちらを選択されましたか?また、文理選択はどのように決めましたか?
理系を選択しました。高校入学時には将来理系か芸術系に進みたいという希望があったのですが、ちょうどIT技術やインターネットが一般にも浸透してきた時代だったことも影響し、最終的には様々な分野で技術的に関わることができそうという理由で、情報工学を志望しました。
- 学生時代に取り組んだことを教えてください。
大学では情報工学を専攻し、卒業研究から博士後期課程の修了まで、MRI脳画像を対象とした認知症診断支援に関する研究に従事しました。脳の構造に基づいた画像処理による領域抽出手法を開発し、得られた情報を用いた認知症進行度の推定を行っていました。課外活動としては写真部に所属し、モノクロフィルム写真の現像をして、他大学の学生たちと学生写真展を開催するなどの交流をしていました。友人たちと車で各地を移動し、温泉に入ったり、豪雪地帯で雪合戦をしたり、色々な話をしたり、と学業以外も存分に活動しました。
- ご自身の進路選択や就職を通して感じたことなど、教えてください。
理系科目が得意だったり好きだったりすると、進路としてはなんとなく医学、薬学、歯学など、医療に関係する分野を想像する方が多いと思います。でも、理系の中には、工学分野もあり、そこで女性が勉強したり、働いたりすることは全く問題ありません。まずは工学系の魅力を知ってもらいたいです!どんなことができるんだろう?どんな風に働けるんだろう?という視点で覗いてみてください。皆さんの好きなものも、工学の力で実現されていることがたくさんありますよ!
- 最後に学生の皆様へ、メッセージをおねがいします!
理工系、特に工学系で何ができるのかな?と思ったら、ぜひ徳島大学をはじめ、色々な大学の工学系のウェブページを見てみてください。そして、仕事としても普段は見えないだけで、たくさんの女性が工学分野で働いて活躍しています。工学といってもその中身はとても幅広いです。みなさんの興味の対象になる分野が必ず一つはあるはず!まずは「知らない」から一歩覗いてみませんか?